歌詞
誰にでも心の奥に忘れ得ぬひとこまがある 胸の奥に焼きついて離れない瞬間がある 悔しさに涙して稽古場の床を見つめた 幕が降りた瞬間に誰かれかまわず肩たたきあった もしも 今の私が輝いているなら 今すぐに あなたの心のシャッターを押してほしい なにもかも思い出として閉じこめてしまうよりも 流れる時のその中で生きてゆく力が欲しい 喜びも悲しみも分けあえる友を見つけた どんなときも一人じゃない 今の私を誰かが見ている もしも 今の私が輝いているなら 今すぐに あなたの心のシャッターを押してほしい あなたのアルバムのどんな私より 明日の私は 輝いている いつも 信じていたい 探していたい いつまでも 忘れない 明日の私を 探していたい いつまでも
あれこれ
もともとは特に発表の当てもなく、自分の趣味として作った歌です。沢田研二がライブで歌った「いくつかの場面」という歌があって、たしか河島英五の作品だったと思うのですが、それがとても印象に残っていて、というのはあります。改めて読んでみると、歌詞はあっちこっちに視点が飛んでいて、僕の中にあるさまざまな物語がひとつの歌詞の中にごちゃごちゃと混ざり込んで顔を出しているような気がします。全体としてひとつの何かと言うよりも、自分の中から出てくるさまざまなイメージをパッチワークのように押し込んでいたような気がします。それからしばらくして、スターを夢見る劇団員とその姿を撮影するカメラマンの物語が頭の中に浮かんできて、その主題歌としてこの歌を再構成しました。「カメラ」というタイトル、「まだ見ぬ星たちへ」というサブタイトルはその時に付けたものです。結局その者語りはその時には形になることはなく、ずっと後になって「ソング&ダンス」というオリジナル・ミュージカルに結びつきます。その時には、ミュージカルの最後を飾る歌としてのコーラスナンバーになりました。2000年に僕自身が節目としてライブを行った時、その時の自分の思いを一番表現できる歌として、ラストナンバーにこの曲を選びました。何かから旅立つ時、誰かにお別れをしなければならない時、これからも同じ気持ちでこの歌を歌っていたいと思います。この歌を恥ずかしげもなく歌える自分でいたいと思います。
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