2023-01-29ゆめチャレンジ「しめきり2022」

 縁あって毎年参加してきた千葉市南部青少年センター主催の「ゆめチャレンジ」、ここ数年は感染症拡大防止のため、一堂に会しての開催ができない状況でした。今回、3年ぶりの開催にあたって声をかけていただいた幸せを胸に、みんなが集まってイベントができる喜びをテーマに作った劇を上演しました。
 作ったといっても、今回は過去に上演した作品を切り取って、パッチワークのように組み立てた舞台になりました。これまで私たちの舞台を「ゆめチャレンジ」で観てきてくれた人が、「あ、どっかで」って思ってくれるような、初めて見る人が「この人たち、いろんなことやってておもしろい」って思ってくれるような、なにより舞台も観客席も一緒になって、和気あいあいと楽しめるようなステージになると良いなって思っていました。

2023年1月29日(日)
午後12時20分〜1時20分
千葉市南部青少年センターホールにて
作 根本千恵子・酒井一成

物語

 ある一室、3人の劇団員がちゃぶ台を囲んで何やら考えている。次回公演のために書き下ろすはずの台本がまだ未完成・・・どころかアイデアさえ浮かんでいないのである。知恵を絞ってネタをひねり出すのだが、どれもどこかで聞いたようなものだったり、実現不可能なものだったり、すでに上演したものだったり・・・台本完成と共に動き出すはずのエネルギッシュなスタッフたちが、夜行性のGに見えてくる始末・・

 苦し紛れにひねり出したのが、最近映画もヒットした特撮番組のパクリ、「ウ○ト○マン山○タ○ウ物語」。最弱ヒーローと人質をとった強盗の対決は盛り上がりを見せるかと思われたが、なぜか別のMGMミュージカルの世界までが入り込んでくる。

 いよいよ追い詰められた3人。メンバーの一人の実体験とかいう甘い恋愛話に活路を見いだす。キャストの年齢の壁も何のその、昔懐かしいアニメ作品へのオマージュを盛りこみながら、甘く切ない恋愛ドラマが展開させるはずだったのだが・・・。

 過去作品を振り返り、その設定のいい加減さに改めて呆れる3人。毎回苦し紛れなのである。その中でも印象的だったもののひとつが野菜。そろそろ意識が飛んできたメンバーに、「ベジタブル・ビーム」が炸裂する。

 なぜか覚醒した3人。タイムトラベル時代劇でミステリードラマを展開することに。ランナーズハイの状況から次々と繰り出される奇抜なアイデア・・・今度こそうまくいくかと勢い込んだものの、ふと冷静になったメンバーから突きつけられる「没!」。とうとう最後の希望も潰えてしまった。

 そして思う。「これでいいんじゃね」

 作っていく過程、悩んでる過程、バカっぽいアイデアの応酬、それも全部楽しんじゃえば。全部仲間と分かち合い、お客さんとも分け合うことができれば、それが自分たちのステージでいいんじゃない?

 というわけで、3年ぶりの「ゆめチャレンジ」、主催してくれた皆さん、参加してくれた皆さん、全ての人に感謝を込めて、NeverLand Musical Factoryとしても久しぶりのフルサイズ劇を終えたのでした。

あれこれ

 今回の劇は、創立時以来のメンバーだった(現在引退中)ちえが昔書いてくれた作品がもとになっています。書いてくれた時にそのままの形で1度、2017年に「クリスマスひとりの夜に盆踊り」という劇に組み込む形で1度上演しています。今回は彼女が作った設定の中に、これまでNeverLand Musical Factoryがやってきた幾つもの芝居の場面(作:酒井一成)を一種の劇中劇として組み込み、それに伴って台詞などを調整して1つの作品として形を整えたものです。所々、接続がうまくいっていないところもあるのですが、そこのところはすべて酒井の責任です。

 感染症が猛威を振るっている間、NeverLand Musical Factoryも本番はもちろん稽古も思ったようにできず、演技をメインとした1時間もののステージをやるのは2019年以来になります。その間は酒井の歌を中心に歌とダンスのステージを主にやってきたのですが、メンバーもだんだん増えてきて、今回は出演者8人、スタッフ4名という大人数になりました。みんなそれぞれに仕事や家庭を持っているので、なんだかみんなでできるのが奇跡のような気がします。歌やダンスも良いけど、やっぱりみんなが演技をしている姿って良いですね。

 幕開け、不気味な時計の音から始まるのですが、長かったですね。実はあの時、幕の奥ではキャストが大騒ぎ、客席の後ろではスタッフが気を揉んでいる苦しい時間でした。ちょっとした手違いというか、連絡ミスというか、予想していたよりもほんの数分早く本番が始まってしまい、キャストがそれぞれの場所で「始まっちゃった!」とあわてて動き出し配置につくまでの騒ぎでした。裏が見えないスタッフの方も「どーなっちゃったんだ」とハラハラで、「すいません、確認して最初からやり直します」と喉方でかかった途端に幕が開いてほっとした、という状況でありました。まあ、よくあることではあるのですが。

 当日観客席にいた人しか分からないネタ、「ぐいん、ぐいん」。メンバーの子どもたちが大いに楽しんでやってくれるのは想定内だったのですが、初めてこの劇を観るはずのお客さん方、特に中学生のみなさんが一緒にぐいんぐいんしてくれたのはとっても嬉しかったです。ライブっていいなあって思いました。ちょっとしたことでも楽しんでくれる「ゆめチャレンジ」のお客さんが大好きです。

 セーラームーンにも気持ちよく食いついてくれた世代の方がいらっしゃって、ちょっと気後れする自分を励ましながら、「セーラームーン全曲集」のCD買ってよかったです。「ムーンライト伝説」2回出てきましたが、バージョンが違うんです。初代とももくろ版を使い分けてます。ちなみに「タキシード・ミラージュ」はオリジナル版で、イントロ音の入れ方にはメンバーのこだわりが強く稽古していて怖かったです。

 2023年に上演したのに、なぜタイトルが「しめきり2022」なのか。誰も関心のない疑問だとは思いますが、参加した「ゆめチャレンジ2022」に合わせました。年度なのですね。

ノーカット版ビデオ

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