NeverLand Musical Factory
SAKAI KAZUNARI
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競馬シリーズの中の、シッド・ハレーを主人公とする連作の3作目。

冒険小説としてのフランシス作品の大きな特色であり魅力である部分は、ヒーローの心の弱点に注目し、心の弱さを乗り越えるドラマが大きな比重を占めるところにある。そういったフランシス作品の特色を最も大きく具体化しているのが、このハレーを主人公とする作品群である。

前作の流れを汲んで、ハレーの内心の葛藤がこれでもかと言うほど描かれる。そういうと読むのがつらくなりそうなんだけど、登場人物がみな魅力的で生き生きとしており、そういった人物の交流の中に、何か心が温まるようなものがたくさん含まれていて、読んでいてなんだかしあわせな気持ちになってくるのが不思議だ。犯人でさえ同様であるところがすばらしい。

これも前作と同じなのだが、教養小説としての一面もあり、馬の話はもちろんなのだが、布地の織り方の話など、うまく物語の中に組み込まれていて興味深い。また、今となっては随分時代遅れの話だけど、当時は先端だった携帯電話やネットなども組み込まれているのも面白く、登場人物に流れる時間と、執筆時期とのギャップがちょっと楽しい。

ミステリとしてのストーリー展開はどちらかと言えば単純なんだけど、小さな手がかりを元に犯人を追い詰めていく不屈な行動力には説得力があり、前述した心の中の敵と、犯人という敵との組み合わせがあるだけに、感情移入しながら、一気に最後まで読んでしまう。

フランシスらしい傑作。ただし、シッド・ハレーものの前2作を先に読んだ方が10倍楽しめる。

2019-08-15



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Princeps date: 2019-08-15 (Thu) 09:58:04
Last-modified: 2019-08-15 (Thu) 09:58:04 (JST) (3d) by KAZU
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