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SAKAI KAZUNARI
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KAZU さんの日記

2019
12月 17
(火)
17:53
和ギルドBANDのステージに、音楽の喜びと和楽器の素晴らしさを思う。
カテゴリー  演劇や音楽の話
本文
 勤務している職場の芸術鑑賞会で、「和ギルドBAND」のライブを見た。正直に言うと、この行事の内容を見るまで、このバンドのことは知らなかった。しかし、尺八2本とリズム隊というバンド編成、古今東西の音楽を取り上げて「魅せる」ステージを創るというコンセプトはとても魅力的で、楽しみにしながら断片的な情報を頼りにネットで調べたりしていた。

 とりたてマニアというわけでもないし、不勉強であるのだけど、和楽器の音は好きである。和太鼓のステージを見て夢中になったり、ロバート・ロイド・ウェーバーの「Jesus Christ Superstar」の劇団四季ジャポネスク版でイントロの旋律が尺八だったり、そんなことにどきどきした。自分の作った音楽にも、シンセサイザーではあるけど和楽器の音を取り入れてみたり、オリジナルの芝居のBGMに三味線の音を入れてみたりもしていた。

 ステージは、2本の尺八でスタートした。ひとつひとつの音に存在感があり、ホールの空気ががらりと変わるのを感じた。後で出演者の方とお話をしたとき、実際に尺八を手に持たせてもらったけれど、ある意味何の変哲もない一本の管である。どうしてあの管から、これだけ豊かな響きが生まれるのだろうと不思議に思う。フルートやサックスだって、もともとはただの管だったはずだ。西洋の文化は、ただの管を次第に変化させ、管を曲がりくねらせ、穴にリードをつけタンポをつけ、先を開いたり閉じたり、材質を変えたり、いろんなことをして音色と演奏技術を追い求めてきたはずだ。それなのにどうして日本の尺八は、素朴な管に穴をうがっただけであるのだろう。

 それは音を進化させるのではなく、静寂や演奏者の息づかい等まで、楽器の音に取り込む方向に進歩してきたからのような気がする。実際、伝統的な邦楽曲を聴けば聴くほど、シンプルな管と演奏者の出す音(や出さない音)の限りないヴァリエーションを感じるし、それを1曲の中に盛り込んでいく贅沢さに胸を打たれる。まして、2本の尺八が時に重なり、時に引き継ぎなら演奏しているのを聴くと、それが2乗にも3乗にもなって、繊細で力強い波となってホールを包み込むようだ。

 日本のポップスや、クイーンの楽曲など、西洋音楽の中に尺八の音色を落とし込んでいく音楽も楽しかったし、ゲーム音楽を尺八で演奏してくれたときに新鮮な驚きは忘れられない。でも、尺八という楽器の豊かな可能性が一番くっきりと耳に飛び込んできたのは、当然ながらバンドのオリジナル曲だった。尺八という楽器を知り尽くしている人が、その特性を生かして組み立ててきている曲だからだと思う。和楽器ならではの豊かさと、西洋楽器ならではの豊かさが、互いに主張しながら溶け合っていて、「今、俺は、なんかものすごいものを体験しているんじゃないか」って、途中から目が回るような気持ちになったのである。ドラムもベースもピアノも、実は尺八に負けないくらい豊かな表現を競い合っていることに、最後の方にきて初めて気づきはっとしたのは、いたらない聴衆の僕だった。

 まあ、そんな難しいことを考えている暇がないくらい、実際のステージは楽しく生き生きと進行していき、まさに「魅せる」という言葉がぴったりだった。職場の芸術鑑賞会だから、たくさんの高校生と一緒なんだけど、こういうステージにすっと触れていくことができるのはとても幸せなことで、固定観念とか、古典と現代の区分とか、東洋と西洋の区切りとか、当たり前のように超えていけるといいな、と心から思った。

 「和ギルドBAND」、これからも応援していきたい。

閲覧(719)

コメント一覧

ケイタ   投稿日時 2019-12-18 19:47
こんにちは、「和ギルドBAND」代表のケイタです。この度は素晴らしいご感想を書いてくださって、ありがとうございました。メンバー一同、ありがたく拝見させていただきました。

こちらの記事の内容で、尺八に対する所感に、非常に共感するところがあり、思わず膝を打ちました。おっしゃる通り、尺八は奏者や楽器の個体差(竹製の場合は1本1本が違った形をしています)により音がかなり異なる楽器のため、表情が非常に豊かです。私自身がその音色に魅入られた一人であるのですが、こんなに面白い楽器が日本で作られて、現代においてもまだまだ輝き続けているということを、より多くの方々に知ってもらいたいと考えておりました。そういう想いを込めた演目でもあったので、この感想を拝見したとき、こちらが想像した以上に想いを汲み取っていただけたことに、深く感動いたしました。

今回いただいたご感想を糧に、今後もメンバー一同、精進してまいります。また機会があれば、さらにひと回り成長した「和ギルドBAND」の姿をお見せできればと思います。重ね重ね、感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
KAZU  投稿日時 2019-12-18 23:08 | 最終変更
ありがとうございます。

個人的な話になりますが、僕は今のようなコンピューターが出来てくる頃から、パソコンを使って音楽を作れることに夢中になっていて、60,64、480なんて打ち込むとドの音が中くらいの音量で4分音符の長さ出て、それに音色を割り振るとベースでもフルートでもそれらしい音が出て、それを組み合わせるとバンドサウンドになるということがすばらしいと思っていました。今思えば、人格的に少し問題があって、一緒に音楽を作っていく仲間が出来なかったということだったり、自分の努力で自分が納得できる音を作ることから逃げていたのだと思います。

だから、人間が人間として音を作っていくことに、ものすごいあこがれを感じていて、今回、その部分をものすごくぶちのめされたような気がするのです。

自分なりに楽器をもっと練習しようと思いましたもの。いまさら、お恥ずかしい言いぐさですが。

音は人が作り出すもの、音楽は人と人が関わり合って作り出すもの。当たり前かもしれないことを、しっかりと、楽しく、教えていただけました。ありがとうございました。

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