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KAZU さんの日記

2019
9月 5
(木)
20:56
村田沙耶香「コンビニ人間」何が正しくて何がおかしいのかわからなくなる不思議な体験。
カテゴリー  本・CD・DVD
本文
 冒頭から少しのところにある、主人公の子どもの頃のエピソードが印象的だが、そのショックが次第に和らぎ、ごく普通の(まあ、ちょっと変わった)人に感じられてくるあたりが、文章のうまさだと思うし、読んでいるこちらの精神とマッチするからかもしれない。多かれ少なかれ、自分自身もお「コンビニ人間」かもしれないと思わされてしまった。

 物語として、どこかに破局が現れると思いながら、次第に大きくなる「きしみ」の音を聞いていく。後半の展開はある意味とても意外だったが、ラストがやさしく着陸したように感じられてほっとした。その「ほっとした」という感覚自体が、後で考えてみれば異様なのかもしれなくて、それもまたこの小説の魔法なのかもしれない。

 「病んでいる」などと仮に一言で言うとすれば、病んでいる人間の話なのかもしれないけれど、じゃあ何が精神的に健康で、何が病んでいるのかということが、読んでいるうちに次第にわからなくなる。この小説が淡々と語る人間の不思議は、もしかしたらもう全然不思議ではないのかもしれない、あるいは、読んでいる僕自身がその「不思議」に使っているのかもしれないと思わされた。

 不思議な読書体験。はらはらしながら、でも共感できて面白く、そう感じること自体がまた不思議だった。

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