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SAKAI KAZUNARI
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KAZU さんの日記

2016
9月 4
(日)
09:29
重松清「ゼツメツ少年」ずしりと重い宿題を背負わされるような気持ちになる小説。作品全体の趣向がギリギリにフィクションを追い込んでいて厳しい。
カテゴリー  本・CD・DVD
本文
重松氏の作品は、読んでいるうちに胸が締め付けられるような気持ちになるものが多い。目を背けたくなるようなことから目をそらさず、しかも安易な解決でごまかさない強さがあるからだと思う。この小説もそうだ。

小学生を主人公にした物語がスタートし、感情移入しかけたところで「やっぱり」と思う告白があり、個性豊かな少年少女が、闇を抱えながらも活躍し始めると、導入にあったメタ小説的な趣向のことなどすっかり忘れてしまう。ただひたすら、かれらがゼツメツしないことを祈りながら、魅力的な登場人物とエピソードに彩られた物語を追いかけてしまうのである。時々チラリと見える「趣向」に小さな違和感を感じながら。

「趣向」が物語を支配するのはほぼ終盤である。僕は唖然とし裏切られたような気持ちにさえなって、でもページをめくるぺーすははやくなるばかりだった。この物語がどんな結末を迎えるのか、怯えながら飛び込んでいくしかなかった。最後の最後まで読んで、なぜこんな趣向が必要だったのか理解したとき、本当に胸が締め付けられるような気持ちになった。こういう読書経験はなかなかできない。

小説の中に描かれた出来事に対して、ぼくはどのように心を整理していいのか、いまだによくわからない。整理なんて不可能なことなのかもしれない。でも僕は、何らかの意思を、この小説が示す現実に対して持たなければならない。そういう意味で、ただ「この小説が、よかったよ」というだけではすまないものを、宿題としてもらったような気がする。

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