NeverLand Musical Factory
SAKAI KAZUNARI
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with BACCHUS - 台詞を語るカテゴリのエントリ

 当然人の心というのは常に動いていて、舞台上の登場人物も例外ではない。観客というのは、意識無意識を問わず、舞台の上にいる登場人物の心の動きを追いかけながら演劇をみている。他人である登場人物の心の動きをどうして追いかけることができるのかといえば、様々な方法でその人物の心の中かが観客に示されるからだ。

 たとえばその登場人物が大声で泣いたとすれば、おおむね「その人が悲しいのだな」と判断するお客さんが多いだろうし、にこにこ笑っていれば逆の判断をするだろう。同じように、その人の行動によってもお客さんはその人物の心の中を想像するし、もっと大きな物語の展開そのものからも同じことをしてくれる。「今頃になってこんなことを言うとは、あのときよほど自分の心を隠していたのだろうな」というふうに。それらはおそらく、日常生活の中で僕らが他人と関わり合いながら生きていくときに、いつもしていることとよく似ているはずだ。

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台詞の覚え方

カテゴリ : 
第1期 » 芝居作りのノウハウ » 役者の鍛錬 » 台詞を語る
執筆 : 
KAZU 2008-5-24 10:35
 理想論であることはわかっていて敢えて言うと、台詞は覚えるものではなく、覚えてしまうものだ。そうありたいと思うし、そうあれたらいいなって思う。

 読み合わせ稽古から始まる。何度も何度も稽古をして、言い方など自分でも工夫し稽古の中でチェックがあったり指示があったりする。時間をとっては何度も何度も台本を読み込み、台詞の背景や、台詞と同時に流れていく登場人物の意識を探る。そういうことを繰り返しているうちに、自然と台詞が頭に入っていく。半立ちが終わる頃には、登場人物の動きや仕草と台詞とが関連づけられ、むしろ台本を持っているのが苦痛になってくる。そういうふうにできたらいいなあ、と思う。

 実際は、まあ無理だ。「○日までに台詞を入れてくること」という号令を合図に、台本を読んでは伏せ、ぶつぶつ口の中でつぶやいては台本を確かめ、稽古で勇気を出して台本を置いてみてはプロンプターのお世話になり、演出担当や舞台監督や相手役の舌打ちを何度も聞いているうちに、やっとなんとか言えるようになってくるのがいつものことのような気がする。本当はまずいのかもしれないけど、まあしょうがない。特に、今回のように台本決定から本番までが短い場合には。

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母音の呪文

カテゴリ : 
第1期 » 芝居作りのノウハウ » 役者の鍛錬 » 台詞を語る
執筆 : 
KAZU 2007-8-11 8:09
 きちんと伝わるように台詞を語るためにはどうしたらいいか。演技の話ではなく、純粋に音声を発するトレーニングとして考えてみたい。(いい参考書がたくさんあるから、ここに書くと怠け者を増やすだけかもしれないが)

 「滑舌の練習をしなさい」ってことをよく言う。早口言葉みたいなものをたくさん並べておいて、きちんと口が回るようになるまでやり続ける。有名なのは「ういろう売り」で、これを暗記している役者も多い(裏に全文印刷しておく)。プロになるわけじゃないから暗記する必要はないけど、朗々と語れるとけっこう格好いいと思う。

 で、滑舌を考える時には、まず「母音」と「子音」を分けて取り組むといい。今回は母音の話である。母音は、アイウエオという5つの音。声帯から声が外に出るまでに、比較的妨げにあわすストレートに出てくる音だ。現代日本語は世界でも珍しいくらい母音が少ない言語である。

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 何はともあれ、台詞を台詞として成り立たせるのは、そんなに簡単なことではないようだ。表現とか演技とか言う前に、「何を言っているのかちゃんとわかるか」が問題なのである。

 正直、お金を取ってプロがやっている芝居だって、きちんと台詞が聞き取れるか、と聞かれたら「?」という舞台は少なくない。これは一種確信犯的な要素がある場合もあって、言葉よりも雰囲気やあるいは肉体を大切にするような演出も存在する。かつて蜷川幸雄氏の「ロミオとジュリエット」演出メモに「全く聞き取れない台詞、怒り狂う評論家」みたいなことが書いてあるのを見つけて、ニヤリとしたことがある。

 しかしまあ、オーソドックスに考えれば、そして今僕らが取り組んでいる芝居の質を考えれば、とにかく台詞の意味するところ、つまりは言葉がきちんと観客に届かなければ、台本の持っている非常に大きな要素を失ってしまうことになるのは確かだ。何よりも、自分が観客として芝居を見ている時のことを考えてみればいい。舞台上で話している言葉がきちんと聞き取れない状態というのは、上演する側が思っている以上にストレスがたまるものだ。学校公演などをしていて、観客席が妙にざわつき舞台に集中してくれていないように感じる時は、実はきちんと台詞が観客に届いていない場合が多いものである。学校の生徒は正直だからストレートに反応してくれるわけで、話がわからない演劇はとっても退屈なのである。

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 村上春樹だったと思うけど、「翻訳というのは横になっているものを、えいやっと縦に起こすようなものだ」といっていたように記憶している(全然別の話だったらごめんなさい)。戯曲として文字に書かれているものを、実際に舞台で上演するのも、それと同じようなことだと思う。いや、それどころか、横になっているものをたたき起こして、空に放り上げて、2回転1ひねりでもさせて、しかも落ちた地点に直径300メートルのクレーターを作るようなことなのかもしれないと思う。

 もちろん、そんな派手なことはそう簡単にはできない。でも、いわゆる「読み合わせ」程度のことであっても、「横になっているものを縦に起こす」楽しさは感じることができる。もちろん実際に舞台を作り上げる第1段階としての「読み合わせ」であれば、とにかくたたき起こさなければ行けないので、もしかしたら「楽しみ」なんてのんびりしたことは言っていられないかもしれない(いや、根底に楽しさがなければ芝居作りなんてなんの価値もないんだってことを前提にしてなんだけどね)。ま、でも昨日やったような「読み合わせ」は、台本決定のためのトライアルというある意味シビアな部分もあるにせよ、同時にそれぞれがいろんなことをみんなの前でやってみる場でもあり、もしかしたら本番に繋がらない台本たちと一緒に遊ぶ場であり、何より演劇の活気というものを稽古場に持ち込む場であるように思う(長い文だ)。つまり、楽しくなければダメなのだ。

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台詞を形にする

カテゴリ : 
第1期 » 芝居作りのノウハウ » 役者の鍛錬 » 台詞を語る
執筆 : 
KAZU 2007-3-22 10:04
 台本に書かれた台詞を、具体的にどのように形にするか。まず、その「形」というのは無限と言ってもいいほどたくさんあることを確認しておこう。ただし、特定の役者が表現できる「形」は有限だし、それでかまわないし当然なんだけど、いくら何でもふた通りくらいの言い方しかできないのでは話にならないから、基礎的な練習は必要なんだよ、というのは別の話。

 実際に舞台で表現されるのは、無限の「形」のうちのひとつであり、そういう意味で稽古というのは、選び取る作業であると言っていい。本当のことを言えば、この「形」というのは陳列棚に並んでいるわけではないし、「形」自体が変幻自在に変化してしまったりするものだから、「創る」とか「発見する」という言い方の方がふさわしいかもしれないけどね。

 さて、「選ぶ」にしろ、「創る」「発見する」にしろ、それがどのようなことを手がかりに行われるかと言えば、基本的には、その台詞を発する人物の「人物像」と、その台詞は発せられる「状況」とによる。実は、ある意味ではそれと同じくらい大事な要素として、「舞台効果」というものもあるのだけど、今はこれも別の話にしておこう。

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鼻濁音

カテゴリ : 
第1期 » 芝居作りのノウハウ » 役者の鍛錬 » 台詞を語る
執筆 : 
KAZU 2006-1-12 13:02
 みんなが歌っているのを見ていると、いくつか気になることがある。

 その中で「鼻濁音」の話をしたい。知らない人はいないと思うが、一応整理しておこう。日本語のガ行の発音は、実は2種類ある。ひとつは濁音、もうひとつが鼻濁音である。両者はまったく違う発音なのだけど、少なくとも表記上は区別されていない。わざわざ区別するために、「゛」をつけた濁音に対して、鼻濁音には「゜」(半濁点)をつける表記もあるにはあるけど、一般的ではないだろう。(ガ行だけじゃなくて、「ぎゃ」・「ぎゅ」・「ぎょ」も同様。説明がくどくなるからガ行の話だけになっているので注意してほしい)

 鼻濁音は、文字通り鼻にかかるように発音する濁音である。響きが柔らかくなる。「が」の前に短い「ン」を入れて、「ンが」って感じで発音すると、雰囲気がわかるかもしれない。日常的に使っている人は使っているし、使っていない人は使っていない。鼻をつまんで「かぎ」と言ってみよう。「ぎ」を鼻濁音で発音している人は、苦しい感じがするはず。濁音で発音している人は、苦しくも何ともないはずだ。

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 本番がいよいよ近くなって、ずいぶん稽古場の雰囲気もよくなってきていると思う。それぞれがそれぞれの方向から、芝居を磨いていっているのがわかる。いい感じだ。

 まず役者に関して。「この期に及んで台詞忘れるんじゃねえ!」というのはその通りなんだけど、問題は台詞を忘れたり、口にした台詞が違ったりという現象そのものではない。もちろん出てくるはずの台詞が出てこなかったり、違う台詞を話されたりしたら、そもそも芝居自体が成立しなくなりかねないのだから、それは困ったものだ。でもそれ以上に気になるのは、なぜそんなことになってしまうのかってことなのである。

 台詞の間違いと一言で言っても、それにはいろんなレベルがある。ちょっとした言葉遣いの違いなら、まあそれはかまわないのかもしれないけど(なにが「ちょっとした違い」で、何がそうでないのかはまた難しいのだけど)、みているとかなり気になる間違いがある。「この状況で、この登場人物が、このような言葉を言うのは、明らかにおかしい」って間違いがあるのだ。

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日本語のアクセント

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第1期 » 芝居作りのノウハウ » 役者の鍛錬 » 台詞を語る
執筆 : 
KAZU 2004-12-14 15:20
 韻律の話が出たついでにアクセントの話。今やってることに直接結びつくわけではないかもしれないけど、どこかのタイミングで知っておいた方がいいので。

 日本語のアクセントは「高低型」である。みんなが勉強している英語のアクセントは「強弱型」で、だから「強く発音するのはどこですか」なんてテストがあるわけだ。日本語は、どこを強く発音するかではなく、高い音を出すか低い音を出すかでアクセントをつけている。この高い低いは絶対的なものではなく、相対的なもの。つまり、前後の音と比べて高いか低いかで決まる。同じ「あめ」でも、「雨」は「高・低」、「飴(キャンディーのこと)」は「低・高」である。実際に発音して確かめてみてね。

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七五調と五七調

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第1期 » 芝居作りのノウハウ » 役者の鍛錬 » 台詞を語る
執筆 : 
KAZU 2004-12-13 15:20
 昨日はお疲れさまでした。なんとか形にすることができてよかった。まだまだこれから考えなきゃならないことがたくさんあるし、もっと練習しなければならないこともたくさんあるけど、とにかく最終コーナーを転倒することなく回って、ゴール前の直線コースでラスト・スパートをかけようって感じにはなったかな。

 さて、本題。一言で「七五調」とか「五七調」とか言うんだけど、なんでそういうリズムが生まれてきたのだろう。そしてどうしてそれが僕ら日本人に気持ちよく感じられるのだろう。これはいろんな説があるんだけど、そのうちひとつを紹介したい。

 まず基本は、「ふたつセット」というのはリズムがいいんだってこと。要するに「いち、に、いち、に、」という二拍子のリズム。歩くリズムがそうだし、心臓の鼓動もそうだ。あ、鼓動って言うと「鳴る・鳴る」の一拍子って思うかもしれないけど、「鳴る・止まる・鳴る・止まる」の二拍子なんだよ。音楽の世界で、二拍子とか四拍子って言うのが多いのもそういうことだろうね。

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with BACCHUS とは

高校演劇部の顧問として、部員に向けて書いた「演劇部便り」です。演劇づくりに関するマニュアル的なものから組織作りのようなこと、個人的な想いを書いたものまで内容はさまざまです。一応ジャンル分けをしていますが、特定の項目についてお知りになりたいときには、単語で検索をしていただいた方が、興味ある情報を見つけやすいかもしれません。

2期に分かれています。第1期は2002年9月から2009年3月まで。少しでも高いところに登ろうと必死で自らを鍛えていた演劇部でした。「with BACCHUS」の内容もわりあいハードで、量もとても多いです。第2期は2013年から書き始め現在進行形です。動き始めたばかりの演劇部、演劇初心者がほとんどの部員たちにわかりやすいように書いているつもりです。

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