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照明は基本を忘れず、大事に、でも楽しんで。

カテゴリ : 
芝居作りのノウハウ » 照明効果について
執筆 : 
KAZU 2021-5-14 22:19
 照明スタッフというのは大変だよなといつも思う。専門的な知識がやたら必要になってくるわりに、実際に機材を使って試行錯誤をやる機会が(特に高校演劇の場合は)限定されてしまうからだ。でも、大変大変と言っていても仕方がないので、何ができるかを考えていくとしよう。 

 サスがどうしたとかフロントサイドがどうしたとか基本色だとか光の三原色とか専門用語を並べる前に、基本を考えよう。演劇の舞台における照明で一番大事なことは何だろう。それは、「舞台で起きていることが観客に見える」ということだ。例外がないとは言わない。大川興業は暗闇劇場というとんがった企画をしているし、「ブラック・コメディ」なんて名作もある(興味のある人は調べてみてください。興味深いよ)。そこまで極端でなくても、あえて見せないことで効果を上げる演出がないわけではないが、舞台で行われていることは見えるのが原則、そして一般的な劇場では、照明オペレーターがスイッチを入れフェーダーを上げない限り舞台の上は真っ暗闇だ。
 ところが、ちょっと照明について知識が出てきたりすると、ついこの原則を忘れてしまって、観客に与える衝撃とか視覚的な美しさとか機材などへの知識に基づいた表現の追求とか、そんなことを優先してしまうことがある。僕自身もそういう傾向があって、自分を戒めることが多い。とにかくまずは舞台で起きていることをちゃんとお客さんに見てもらえる照明。極端に言えば、それだけだって立派な照明プランである。一言で「ただ明るいだけ」と言っても、その明るさや色合いや光が差してくる方法は決してひとつではなく、どんな色の光をどのような強さでどちらの方向からどこへ向けて出すのかというのは千差万別だし、それによって空間のありかたは変わってくるものなのだ。

 そういったことを頭におきながら実際の舞台に光を当てることをイメージしていくと、舞台を照らす明かりには2つの種類があることが分かると思う。考え方は、音響の場合と同じだ。その場面が現実になった時、(A)実際にある光と、(B)実際には存在しない光である。

 (A)は屋外の太陽光や、屋内の蛍光灯の光などが一番わかりやすい。「明るきゃいい」って言いたい時もあるけど、本当は屋外の明かりと屋内の明かりではまったく違う。舞台全体を照らす照明を変化させることで、屋外と屋内の区別をお客さんに感じてもらうこともできるし、時間の経過や天気などを表現することもできる。そんなに簡単なことではないけれど。全体を照らす明かり以外に、勉強している人の机には手元を照らすディスクライトがあるかもしれないし、夜の道には鈍く光る街灯があるかもしれない。これらは全部実際にある光である。今回僕らが作ろうとしている芝居であれば、窓越しに見えるステージからの照り返し、なんていうのも考えられると思う。(実際の)舞台の上にある手作りのスポットライトは光るのかな、なんていうのは小道具の分担かもしれない。

 本物のスポットライトで例えば登場人物に光を当てたとしたら、その光は(B)、実際には存在しない光である。ショッキングなシーンなどでよくホリゾント(舞台の背景になる白い壁や布)を真っ赤に染めたりすることがあるけれど、あれも同じだ。こういった光は、特にある種の演劇には欠かせないし、うまく使えばすばらしく印象的な舞台を創り上げることができる。照明スタッフとしてのやりがいがあるし、なによりも面白いから僕も大好きである。あまりに好きすぎて、さっき書いたとおり一番大切な原則を忘れてしまうくらいなのである。

 それは論外としても、こういう光には、ちゃんと狙いがあることを忘れない方がいい。スポットライトで光を当てるのは、その人物なり物なりに観客の注意を集めるためだ。映像ならばクローズアップに近い役割である。一カ所に注意を集めれば他からは注意がそれるわけで、使いどころが大事なのは言うまでもない。ホリゾントを赤く染めるのは舞台で起きた出来事の衝撃度を強くアピールするためのお約束のようなものだが、多用すれば衝撃が薄れるし、なにより落ちついて舞台が見られない。説明的になりすぎる嫌いもある。こういった光は役者の演技とかみ合い、芝居全体のバランスの中で決めていくことになる。基本を忘れず、大事に、でも楽しんで取り組んでほしいと思う。
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高校演劇部の顧問として、部員に向けて書いた「演劇部便り」です。演劇づくりに関するマニュアル的なものから組織作りのようなこと、個人的な想いを書いたものまで内容はさまざまです。一応ジャンル分けをしていますが、特定の項目についてお知りになりたいときには、単語で検索をしていただいた方が、興味ある情報を見つけやすいかもしれません。

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