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with BACCHUS - ある場面で音響スタッフが流す音をふたつにわけて考えるなら

ある場面で音響スタッフが流す音をふたつにわけて考えるなら

カテゴリ : 
芝居作りのノウハウ » 演劇における音
執筆 : 
KAZU 2021-5-10 16:49
 音響、小道具。形のなかったものに、次々と形が与えられていく。スタッフのバイタリティには頭が下がる。

 先日の稽古で、音がどんと入ってくることで舞台の空気がすっかり変わることが実感できただろうか。音とか音楽というのにはそれだけの力がある。ひとつの芝居を作り出すためには、役者と同じくらい重要な要素で、上手に使えればこの上なく頼りになる味方だけど、安易に扱えばちっとも力になってくれないし、それどころか周囲の努力の足を引っ張ったりしかねない(あらゆるスタッフの仕事に同じことが言えるけど)。

 稽古の中で、「心情音」といった言葉を使った。さすがに3年生の音響スタッフはすぐに意図するところが通じたようだけど、みんなには理解できただろうか。今後のこともあるので説明しておきたい。
芝居上のひとつのシーンに音響スタッフが持ち込んでくる音をざっくりとふたつにわけて考える。
A もしその場面が「現実」であっても、実際に聞こえている音
B もしその場面が「現実」であったら、実際には聞こえない音

 Aはわかりやすい。着信音が鳴ったのでスマを取り出す、その着信音だ。あたりまえだけど決まったタイミングで決まった音量で決まった音が出てくれないと、役者は演技ができないし観客に伝わらないので、音響スタッフが何らかの方法で音を出す。「スマホの着信音が鳴る」なんてト書きに書いてあれば、それを具体化すればいいが、たとえば登場人物が退場する時に、舞台袖奥にある(観客には見えない)ドアが開き閉じる音を出すか、ドアが開いた時に外の音が部屋の中に聞こえてくるか、なんてことになると、演出効果と音響スタッフの技量に併せて取捨選択をしなければならないだろう。

 実際にスタッフとして係わればそんなに簡単なものではないのは当然で、「着信音」といってもどんな着信音かを選ばなければならないし、それにはスマホの持ち主である登場人物の個性も舞台効果として観客に与える影響も考慮しなければならない。また「鳴る」ということだって、たとえば音量ひとつにしても、あまり大きな音では非現実的だし(リアルで周り中に響き渡るような音量に設定している人はいないでしょ)、実際によくあるように本人にしか聞こえないような音量では、お客さんにだって聞こえやしない。音が出るタイミングも役者の演技に深く関わるので、毎回違っていては稽古にならない。要するに、役者が舞台上で演技をするのと同じことを、プランニングからオペレートまでの行程で音響スタッフはやるのである。

 僕が「心情音」という言葉を使って伝えたかったのはBの一種だ。実際には聞こえないが、何かを表現しようと意図して持ち込まれる音である。歌舞伎の世界では、「音もなく」雪が降る情景を柔らかい大太鼓の音で表現する。実際にそんな音が聞こえるわけはないが、雪が静かに降る風景が感じられるから不思議だ。

 空気全体に薄い絵の具を塗るように、舞台の雰囲気を音によって色づけることがある。ただふたりの人が向かい合って立っているだけのシーンでも、そこに寂しげな音楽を加えるか、明るく弾む音楽を加えるかによってシーンの意味合いがすっかり変わってしまう。この場合も具体的にどんな音を使うか、どんなタイミングでどんな音量で芝居に係わっていくかはとても重要で、音が出しゃばりすぎて全部をぶちこわしにしている芝居もよく見る。個人的には、目立つ時は目立つ、裏に回る時には裏に回るといった、しっかりとしたメリハリが必要だと思っている。目立つなら観客を引き回すほど、裏なら音が流れていることに気づかれないほど。

 で、そのひとつが登場人物の心情を表現する音である。当然ながらこの音は役者の演技とシンクロする必要があるのだが、というところから更に書きたいことがたっぷりあるけれど、今回はこのくらいで。
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高校演劇部の顧問として、部員に向けて書いた「演劇部便り」です。演劇づくりに関するマニュアル的なものから組織作りのようなこと、個人的な想いを書いたものまで内容はさまざまです。一応ジャンル分けをしていますが、特定の項目についてお知りになりたいときには、単語で検索をしていただいた方が、興味ある情報を見つけやすいかもしれません。

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