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with BACCHUS - 台詞は考えながら、稽古の一環として覚えよう

台詞は考えながら、稽古の一環として覚えよう

カテゴリ : 
芝居作りのノウハウ » 役者の鍛錬 » 台詞を語る
執筆 : 
KAZU 2021-5-4 16:50
 台詞をどうやって覚えるかと言えば、本当に人それぞれだ。みんなの親の世代やその上の世代の演劇少年少女が愛読し熱中した傑作、今だに完結していない演劇漫画の金字塔「ガラスの仮面」の主人公は、ブツブツと口の中で唱えながらノート1冊分の台本を一晩で覚えたり、2時間以上の舞台を一度観ただけで登場人物の台詞と動きを丸暗記して再現したりする特異な能力を持っているのだが、そういう天才はまずいない。自分のやりかたで覚えるしかない。

 僕の友人は、台本を手で書き写すのが一番だという。ネット上の脚本紹介で有名な「はりこの虎の穴」」 にはかつて管理人のぐっきーさんがつくった台詞暗記用アプリがあった(キーを押すと次の台詞が表示されるといったものだったような記憶がある)。ある有名作家のエッセイを読んでいたら、彼は台詞を自分で語って録音し、何度もイヤフォンで聞くらしい。
 本当のことを言えば、そんなことをいろいろしなくても、何度も何度も自分で読んだり、みんなで読み合わせを繰り返したり、納得のいくまで半立ち稽古をしているうちに、自然に台詞が身にしみこんできて口をついて出てくるのが一番望ましい。人間が特定の瞬間に特定の状況の中に存在する時、つまり生きている時、話す言葉の占める役割というのはそれほど大きくないことがほとんどで(だってみんなだって四六時中話していないし、話している時だって話す以外のいろんなことをやったり感じたりしているでしょ)、だから話している言葉だけを抜き出して暗記するなんてことはとっても不自然なことなのだと思う。

 そうは言っても、そんなふうに自然に頭の中に入ってくるまで待つ時間があるなんてことは、まず滅多にないことなんじゃないかと思う。今回の僕らにしたって「台本を離す」時期というのは目標として決めてあって、なんとかしてその時期までには台本を手に持たず立ち稽古ができるようにしようとみんな努力をしてくれているはずだ。なんといっても、片手に台本を持ち、目をしょっちゅう台本に落とさなければならない状況であったり、周囲にあれこれアンテナを張る以前に「次の台詞はなんだっけ」と考えているようでは、まともな演技の稽古なんてできっこないし、まして共演者やスタッフと「キャッチボール」をするなんてあり得ないからだ。

 じゃあどうするかといえば、やっぱり自分で台本を読みながら台詞を覚えるしかない。ここで気をつけてほしいのは、「台詞を覚える」というのは、円周率を20桁まで覚えるというようないわゆる「丸暗記」ではいけないということだ。一言で言えば、考えながら覚えなければならないし、逆にそうした方が速く覚えられるし、忘れにくくなるし、覚える過程で考えたことが必ず後で役に立つ。コンビニでコピーを取るように、内容に関係なく何も考えず頭に入れようとするのが一番駄目だ。

 台詞というのは、何もないところに話している言葉だけがぽつんとあるわけではない。必ず何かと結びついている。むしろ、多くのものとさまざまな糸で結ばれていて互いに影響を与えながら舞台の中である位置を占めている。だから、その糸を探り、言葉と言葉、言葉と人の思い、言葉と人の行動を結びつけていくのが「考えながら覚える」ということだ。わかりやすい例でいうと、「助けて!」という言葉が自分の恐怖や襲いかかろうとする相手の行動と結びついており、「危ない!」という別の人物の言葉と結びついているということだ。

 これはものすごく単純な例だけど、どんな台詞だって同じである。その結びつきを探るということは、少しずつやってきている「半立ち」の確認や復習でもあり、役作りの一環でもある。そうなると台詞を覚えること自体が、ひとりでもできる立派な稽古になる。キャスト一人ひとりが時間を見つけて、そんなことを繰り返してほしいと思う。
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高校演劇部の顧問として、部員に向けて書いた「演劇部便り」です。演劇づくりに関するマニュアル的なものから組織作りのようなこと、個人的な想いを書いたものまで内容はさまざまです。一応ジャンル分けをしていますが、特定の項目についてお知りになりたいときには、単語で検索をしていただいた方が、興味ある情報を見つけやすいかもしれません。

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