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with BACCHUS - 「半立ち」あるいは「荒立ち」の後にやることは

「半立ち」あるいは「荒立ち」の後にやることは

カテゴリ : 
芝居作りのノウハウ
執筆 : 
KAZU 2021-5-3 15:29
 ざっくりと動きを決めた。その間はほとんどの時間全員に一箇所にいてもらい、少しずつ形が決まっていくところに立ち合ってもらった。決まった動きは、芝居全体の骨格としてメンバー全員が知っておき前提としていかなければならないことだからだ。またそれと同時に、特に演劇部員として芝居を作った経験が少ない人であればあるほど、 つくりあげる過程を見ることによって学ぶことが多いはずだからだ。

 キャストにとって次の段階はまず、ざっくりと決めた動きを繰り返していくことで、動きそのものを確認し体と心にしみこませながら、ひとつひとつの動きの意味を確認したり作り出したりすることだ。「確認する」のは主に観客に与える効果や動きの必要性のことで、「ここでこう動くことであの人との距離を開け舞台のバランスを取ると共に、このスイッチに手が届きやすくする」みたいな、芝居を作る側の話である。それに対して「作り出す」のは主にその動きをする登場人物の動機で、「あの人のことが嫌いで信じられなくなったから無意識に離れていくんだけど、目はあの人の顔をじっと見てるんだ」みたいなことだ。「作り出す」と書いたけれど当然台本から探り出すことでもある。芝居の作り手の必要性と登場人物の動機の両方が必要で、バランスが悪いと説得力のある舞台にはならない。特に後者は演技のスタート地点だと思う。必要性と動機は時々矛盾してしまうこともあり、矛盾がないように動きを決めてきているはずなのだけど、どうしても矛盾が解消できないときには修正せざるを得ないし、それはまあ芝居作りでは基本的なことだ。必要性がマイナスだったり、動機が登場人物や芝居全体の中で違和感があるときも同様。
 スタッフにとって次の段階は、大まかに姿を現した芝居全体の骨格に、自分の仕事をなじませていったり、やるべきことを見つけ出して動き始めることである。台本が決まった段階から、自分の担当する役割に応じて、自分なりにイメージを膨らませているはずである。動きを決めている間にも、それを修正したり足したり引いたりしてきていると思う。もちろん、スタッフの作ってきたイメージを取り込む形で骨格が決まっていた面もあるだろう。ト書きに「ノートを持つ」と書いてあればノートが必要、「暗転する」と書いてあればフェーダーを下げる、「音楽が流れる」とあれば音楽を流す、といった単純なものではもちろんないわけで、書いていないこともたくさんあるし、書いてあってもそれを具体化したものがどのようなものになるか、そのヒントは稽古の中で見つけられるものだ。そういったヒントを受け取ると同時に、そこから考えたことをみんなに伝え、具体化したものを稽古場に持ち込んでいき、実際に稽古で使ってみて問題があれば修正していく。こういう過程は、役者が演技を考えるのとまったく同じで、表方・裏方という言葉があっても、共に芝居を作るかけがえのないメンバーであり上下の差などはもちろんないのである。

 数日稽古場にいて、部員ひとりひとりが自分のやることを見つけ、自分なりにしっかりやって、その成果を報告したり、するべき質問をしたりしていることに、嬉しい驚きを感じた。みんなしっかりしてるなと思った。

 自分が主催する団体で芝居の稽古をする時に必ず僕の頭にあるのは、「稽古に参加した全員が充実感を持てるように」ということだ。学生ではないので稽古場に行く交通費だってかかるし稽古場の使用料だってみんなで出し合っている。仕事や家庭のことで忙しい中時間を確保するのもそんなに楽なことではないし、まして今は感染症の心配もある。頑張って参加してくれたメンバーを「今日は君の出番はない」といってずっと人の活動を見せるだけで帰してしまうのは責任者失格だと思う。それは高校演劇も同じだ。もちろん、稽古を仕切る人がそう考えるだけではなく、ひとりひとりが自分のやれることを見つけようという意欲と、見つけることができる能力を持っていれば、そしてそれができる稽古の手順や環境があるのが一番だ。そんな演劇部であってほしいと思う。
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高校演劇部の顧問として、部員に向けて書いた「演劇部便り」です。演劇づくりに関するマニュアル的なものから組織作りのようなこと、個人的な想いを書いたものまで内容はさまざまです。一応ジャンル分けをしていますが、特定の項目についてお知りになりたいときには、単語で検索をしていただいた方が、興味ある情報を見つけやすいかもしれません。

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