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with BACCHUS - 学ぶことは真似ることから始まる

学ぶことは真似ることから始まる

カテゴリ : 
芝居作りのノウハウ
執筆 : 
KAZU 2021-5-1 17:09
 学ぶことは真似ることから始まる。スポーツなんかもそうだと思うけれど、優れたプレーヤーや表現者をよく見て、どんなふうにしたらそんなにすごいのか、どんなところがすごいのか、自分で考えてみる。ただ見て考えるだけではなくて、実際に自分でやってみて、どんなふうになっているのか自分の身体で確認してみる。当然ながらそっくり同じに真似しようと思ったってできるわけがないので、練習したり工夫したりして少しでも近づけるように自分を鍛えていく。ある程度真似できたって感じるようになっても、思った通りの結果が出ないのが普通で、だからもう一度見て考えて真似てみる。その繰り返しが「学ぶ」ことのひとつの形なんだと思う。

 「型にはまらない」とか「独創的な」とか「個性あふれる表現」なんてことがどんなにもてはやされたとしても、そういったものを支えるためには、当たり前のことが当たり前にできるという前提がある。まっすぐにボールをキャッチャーまで投げることができないピッチャーには魔球も投げられないし、かけ算の九九ができない高校生に微分積分の問題を独力で解くことはできない(まあ、世の中には常識外れの天才もいるだろうけど)。だから、特に初心者のうちは「普通はこうやるんだよ」と言われていることを普通にやることに一生懸命になった方がいい。それを続けているうちに、普通じゃないかもしれないけど自分に合ったやりかたが見つかるかもしれないし、もしかしたらそれは、独創的な何かになり得るかもしれない(僕自身も初心者だ)。
 芝居作りも例外ではない。演技もそうだし、スタッフワークのセンスを磨くのもそうだし、演出全般も同じだ。優れた舞台をいっぱい見て真似できるところ真似する。全部真似できないまでも、考え方とか作り方とか、真似できる範囲で真似てみる。そうすると、なぜあんなことをしているのか、なぜあんなことをするのが必要なのか、優れた表現の条件みたいなものがなんとなく感じ取れるようになってくるし、同時に自分の未熟さもわかってくる。なんといっても「風姿花伝」という書物に「真似ぶ」ことの大切さを誇り高く記述した世阿弥は、演劇の一種である能楽の巨匠なのである(ちょっと雑な描き方かもしれないけれど)。

 にもかかわらず、演劇こそ無批判に「個性」とか「独自性」のようなものが表面に出てきて、「真似る」ということを忘れがちになっているような気がしなくもない。たとえばこれがダンスなら、最初から自分たちで振り付けを作る前に、好きな曲の振り付けを真似してやろうとして、結果的にそこからたくさんのものを学ぶようなことが普通に行われていると思うのだけど。

 もちろん3分の楽曲の振り付けをコピーするのと1時間以上の芝居をコピーするのとではまったく違うことだから比較するのがおかしいのだけど、優れた舞台とか、せめて舞台のDVDなどをあまり見ないで、テレビドラマや映画やアニメをみた印象とか、先輩がやっていたこととかを見て、「演劇ってこんなものだ、だから自分たちもこうやろう」と思ってしまうのは絶対にもったいないし。バッカスに失礼だと思ってしまう。優れたものには必ず学ぶべきものがある。見て考えるだけでも意味があるし、できれば部分的にでも真似してみると、それ以上にたくさんのことがわかってくると思う。もちろん「たくさんのこと」の中には自らの力不足も含まれるけど、克服すべき課題もたくさん含まれているはずだと思う。サッカー部員がワールドカップの試合を見て、「すごいな」と思い「こんなやりかたもあるのか」と思い、翌日グラウンドで試してみるのと同じことだ。 

 本当を言うと、見るのは優れたものばかりでなくてもいい。「自分ならこうやる」「ここはこうした方がいいんじゃないかな」と考えながら見ていれば、自分自身のスキルや、仲間と取り組んでいる舞台の質を上げるアイデアはたくさん見つかるはず。一番やってはいけないのは、未熟な自分ができることや考えることを、自分や仲間の限界にしてしまうことだ。その先がある。その先に行くために学ぶべきもの、真似るべきものがある。
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高校演劇部の顧問として、部員に向けて書いた「演劇部便り」です。演劇づくりに関するマニュアル的なものから組織作りのようなこと、個人的な想いを書いたものまで内容はさまざまです。一応ジャンル分けをしていますが、特定の項目についてお知りになりたいときには、単語で検索をしていただいた方が、興味ある情報を見つけやすいかもしれません。

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