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with BACCHUS - なにを得ただろう?

なにを得ただろう?

カテゴリ : 
第1期 » 部活動運営 » 顧問からメッセージ » 卒業の日に
執筆 : 
KAZU 2009-3-6 14:33
 さて、卒業である。

 いつだってそうだと言われれば本当にその通りなんだけど、入学してから卒業するまで、この学年も本当にいろいろなことがあったと思う。そしてこれも、もしかしたらいつだってそうなのかもしれないけれど、いい思いをしている時の君たちの顔よりも、つらい時の君たちの顔の方がよく覚えていたりする。

 入部して一番最初の芝居に取り組む時期、春の地区発表会と外部からの依頼公演と、部全体がふたつに分かれて動くことになった。このあたりが既に異例のことで、特に依頼公演チームには本当に大変な思いをさせたと思う。1年次秋の大会の頃、今までにない一種の「期間限定メンバー」が関わっていた頃にしても、さまざまな意味でやりづらい部分があったように見えた(いてくれたから充実した部分も言うまでもなくたくさんあった)。もちろん、2年次秋の大会直前の大事件は言うまでもない。最後の公演に至ってはインフルエンザの影響で文化祭が延期になり、結果的に「あとから思えばあれがラスト・ステージだったんだな」と言う、一種中途半端な形で引退することになってしまった。いくつかの出来事の中で、何人かのかけがえのない仲間が去っていった。
 高校3年間という限られた時間の中で、大切なことは何をなしえたではなく、何を得たかであると思う。当然ながら高校は学びの時期であり、部活動というのはある種のフィクション、あるいはメタファとして成立している部分がある。確かに、そこでしか得られない栄光はあるし、限られた時間だからこそ得られる真実もある。しかし、逆に失敗すら学習の過程であるという前提の元に、たとえば幾ばくかのお金を払って参加している楽園であることに変わりはない。

 3年生が何を得て来たのか、それが僕には気になる。それは人それぞれであろうし、多分一言で片付けられるような単純なものではないと思うのだ。だが、僕は僕なりに、君たちが感じ取ってくれていたらいいなと思うものがいくつかあるし、最後にそれを書いておきたい。もちろん、そんなものはどうでもいいと思うのも自由だし、全く別のものを得たと感じる気持ちがあれば、それもすてきだと感じる僕がいることを断った上で。

 ひとつは、人生って奴がめちゃくちゃ複雑であるってこと。モンハンやドラクエが楽しいのは、手のひらに入る程度に複雑だからだ。その程度に複雑でないと嘘っぽく感じる程度には僕らは成長してるけど、本当の人生というのは、手のひらどころか全身で受け止めたってその欠片もつかめないくらいでっかくて、まるで底なし沼のように複雑で得体の知れないものなのだ。うまくいかないことも、頑張っても報われないことも、裏切られることも、かなわないこともいっぱいあって、でもそういうのを寄せ集めてじっと目をこらすと、なんだかぼわって光っているものが見えるようなものなのだと言うこと。で、だからこそ、本当に大切なものもあるんだし、死ぬほどの喜びを伴って何かが心にこみ上げてくる瞬間があるのだと言うこと。

 もうひとつは、そういう人生の中で、やっぱり「自分は自分なんだ」ってこと。自分って奴は一番信用できなくて、一番弱くて、一番見栄っ張りで、一番大嫌いで、一番嫌な、でも絶対に離れられないし、多分なによりも大切なものだ。ゆらめいたり流されたり変わっちゃったりするんだけど、でも、なんというか自分の起点は常にそこにあって、そこからしか世界を見ることはできないし、自分自身の姿だって鏡に映った自分をそこから見るしかない(いろんな種類の鏡はあるけどね)。「自分は自分だ」ってことが、時にプラスに感じたりマイナスに感じたり、嬉しかったり落ち込んだり、いろいろなのが当たり前だけど、そのことから逃げることはできないんだって、とりあえず気がつくのもこの時期なんじゃないかと思う。

 ふたつだけあげたのは、多分僕自身がそうだったからだろう。この年齢の頃、そういうことを思った。同時に、世の中にはずっごく素敵なものがあることも、すっごく大事なことがあることも知った。君たちもそうであってほしい。
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with BACCHUS とは

高校演劇部の顧問として、部員に向けて書いた「演劇部便り」です。演劇づくりに関するマニュアル的なものから組織作りのようなこと、個人的な想いを書いたものまで内容はさまざまです。一応ジャンル分けをしていますが、特定の項目についてお知りになりたいときには、単語で検索をしていただいた方が、興味ある情報を見つけやすいかもしれません。

2期に分かれています。第1期は2002年9月から2009年3月まで。少しでも高いところに登ろうと必死で自らを鍛えていた演劇部でした。「with BACCHUS」の内容もわりあいハードで、量もとても多いです。第2期は2013年から書き始め現在進行形です。動き始めたばかりの演劇部、演劇初心者がほとんどの部員たちにわかりやすいように書いているつもりです。

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