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with BACCHUS - ナース・オブ・マーズ

ナース・オブ・マーズ

カテゴリ : 
第1期 » 部活動運営 » 顧問からメッセージ » 本番直前に…
執筆 : 
KAZU 2008-11-21 12:50
 長い時間をかけてやってきた「ナース・オブ・マーズ」も、いよいよおしまいである。それと同時に、2008年の公演も一通り終わることになる。

 ここ10年、千葉県中央発表会というところで最後の芝居を上演してきた。それが終わるとマラソン大会があって定期考査があって冬休みがあって、って感じである。今年は、昨年までとは違う立場で中央発表会の会場に行くことになったのは、残念といえば残念であると思う。もっともっと多くの人に、君たちが一生懸命作ってきたものを見てもらえたら良かったなと思う気持ちがないと言ったら嘘になる。

 しかし、それでもなお、僕はこの「ナース・オブ・マーズ」という台本は、とても幸せな本だったと思っている。
 先日埼玉県の中央発表会に行って、すぐれた舞台をたくさん見てきた。千葉県以上に、顧問の先生や部員が書いた芝居がたくさん上演されていたと思う。自分で書いている時にはよくわからなくても、外から見ているとわかってくることがたくさんあって、その一つがたとえば顧問と部員、台本と団体の関係だ。それぞれ部活動そのものを変えてしまうくらい大事な要素だと思うけど、顧問が台本を書き、部員がそれを上演するとなると、ますます演劇部の根底の所を左右する大きな問題になってくるのだと思う。

 埼玉県のトップクラスの上演を見ていても、「この演劇部には、この先生が書いた台本は合わないな」とか、「ちょっと先生が生徒の希望に合わせて書きすぎてるな」とか、「生徒はこの部分について、先生に書き直しをお願いできなかったのかな」とか思うことがあった。たぶん問題点は、顧問と生徒と、両方にあるのだと思うのだ。

 顧問の側から言えば、どうしても現実の生徒に合わせて台本を組み立ててしまうと言うようなところがある。それはそれですばらしい効果を上げることも少なくない。しかしその一方で、作品としての純粋な完成度を考えると妥協してしまうような(意識はしないとしても)こともありがちだし、役者はスタッフに、いわば「できる範囲で」やることを許容してしまったりする。

 生徒の側からすると、自分たちに合わせて書いてもらえるのだからやりやすいけど、つい安易に構えてしまうところがある。登場人物の心理にしても、実際に書いた人がそこにいるわけだから、自分で考えるよりも聞いた方が早いような気がしてくる(実は書いた方もよくわかっていない場合が結構ある、酒井だけかも知れないけど)。「自分がやりたい・やりやすい」役をもらえるわけだから、気持ちよく芝居はできるけど進歩は少なくなる。

 でも、生徒の側の本当の問題は、むしろ「ノーと言えない」ところにあるのではないかと思う。顧問だって一生懸命書いているわけだけど、もちろん限界がある。芝居作りというのは共同作業だから、顧問であっても台本を書いた時点で共同の一環であり、「ここはおかしいから直せ」と言われることは当然だ。しかし、学校の先生と生徒というのは、案外上下関係が意識されているもので、なかなか生徒の方から先生に向かって、「台本のここはおかしいから直してほしい」とは言いにくいものだ。明確な間違いや物理的な不都合ならともかく、感性が問われるような問題ならなおさらである。

 僕らだって実は、そういう欠点をたくさん抱えている。外から見れば、顧問も部員も、安易にもたれ合いながら小さな殻の中で「いい物作りごっこ」をしているように見えるのかも知れない。そして僕自身、そういう要素が今だってあるのだと言うことを、正直に認めていたいと思っている。もしこれからも僕が台本を書くことがあるのであれば、それは絶対に克服しなければならない、僕自身の、演劇部の課題であろうと思う。

 それでもなお、僕は部員がこの芝居を愛してくれていることを心からうれしく思う。「この劇をやりたい」と思う人が長い時間とたくさんの手間をかけて、この芝居に命を吹き込んでくれたことをありがたいと思う。うまくいっている時ではなく、壁が立ちふさがった時も「この劇が好きだ」と言ってくれた君たちに、この芝居を預けて良かった。
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with BACCHUS とは

高校演劇部の顧問として、部員に向けて書いた「演劇部便り」です。演劇づくりに関するマニュアル的なものから組織作りのようなこと、個人的な想いを書いたものまで内容はさまざまです。一応ジャンル分けをしていますが、特定の項目についてお知りになりたいときには、単語で検索をしていただいた方が、興味ある情報を見つけやすいかもしれません。

2期に分かれています。第1期は2002年9月から2009年3月まで。少しでも高いところに登ろうと必死で自らを鍛えていた演劇部でした。「with BACCHUS」の内容もわりあいハードで、量もとても多いです。第2期は2013年から書き始め現在進行形です。動き始めたばかりの演劇部、演劇初心者がほとんどの部員たちにわかりやすいように書いているつもりです。

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