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with BACCHUS - 道具箱

道具箱

カテゴリ : 
第1期 » 部活動運営 » 顧問からメッセージ » 新年最初の稽古
執筆 : 
KAZU 2008-1-8 11:46
 新しい年になるといつも、演劇部の今年の課題は何だろうと考える。本当のことを言えば、それはもしかしたら僕が考えることでじゃないかな、と思いながら。そして次に、演劇部の課題と、演劇部を構成するそれぞれの課題の関係について考える。たぶんより大切なのは、前者よりも後者であると確信を持ちながら。各個人が成長するために部活動があるのであって、部活動自体がどんなに成果を上げたところで、各人の成長がなかったり、極論すれば各人の犠牲の上にそれが成り立ったりしているのであれば、むしろ否定されるべきものだと思うからだ。

 新年早々、妙に理屈っぽい前書きになった。今年度になって、あまり部活動に顔を出せなくなり、それこそ靴の上から足を掻(か)くような気持ちで君たちの活動を見ているせいか、妙に考えてしまうことが多くて困る。本当に何かに打ち込んでいる時と言うのは、もっともっと純粋な気持ちで、明日のことだけを考えていられるものかもしれないと落ち込んだりもする。しかしまあ、考えることも大事な行動だから、頭がぐちゃくちゃになってしまわない程度に、あれこれと考えていよう。
 昨日も少し話したことだけど、今はみんなが自分のスキルを上げていくべき時期だと思う。よく、2年生は引退に向けて自らのスキルを下に伝える、とか考える向きがあるけれど、今はまだその時期ではない(もしかすると最後までその時期は来ないのかもしれない)。それぞれが共に磨きあうことで、結果的に伝えるべきものが伝わるはずだと思うべきだ。それと同時に、一番伝えるべきはスキルではなく精神とか姿勢であるとも考えておきたい。

 それはともかく、各メンバーが持つものを、「意志」と「能力」に分けることができるとすれば、「意志」が「能力」を使って、何かを作り上げると言ってもいいだろう。大工さんが道具箱から工具を選び出して家を建てるように、君たちの「意志」が、君たちの「能力」を使って芝居を作るのだ。使い物にならない工具ではろくな家が建たないように、ある一定の「能力」がなければ満足のいく芝居を作ることはできない。だから僕らは、自らの「意志」が作りたいと叫ぶものを作れるように、時間をかけて「能力」を磨いておきたいのだ。

 ひとつには、道具箱の中にいろいろな工具が入っているように、全員が同じである必要はないし、むしろそうでない方がいいってことだ。誰にでも自分の得意なことがあり、自分が好きなことがある。そうでないものをすべて捨てていいわけではないが、どちらかといえば好きで得意なことをやったほうが楽しいし、みんなの役にも立てるような気がするのではないだろうか。それでいいのだと思う。ただ、ノコギリばかりでナグリがないのでは棚ひとつ作れないから、道具箱の中のバランスはよく考えなければならないけれど。

 第2に、そういうものを磨くのには時間がかかる。今日使いたいから今日使える、というわけにはいかないはずだ。、まして必要になる工具がさまざまで誰もがオールラウンドでないとすれば、今必要と思うことばかりではなく、明後日必要になるかもしれないことも考えておくべきだ。そういった意味では、全体と見る力と同じように先を見る力も必要なのだと思う。

 最初に「意志」と「能力」を分けてみたけれど、もちろん本当のことを言えばこの二つを分けることなどできない。「意志」を持つことも「能力」のひとつであるし、「意志」がなければそもそも「能力」というものは生まれてこないからだ。だからみんなには、自らの「能力」(=スキル)を高めようという意志を持ってほしい。そしてそのために具体的に何かをしてほしい。自分の意志でしてほしい。スキルというのは、本質的に誰かに分け与えてもらうことはできないものであり、「意志」から芽生え「経験」が育てるものだからだ。

 演劇部の倉庫に数え切れないほどの工具や機材があるように、そしてそこに先輩たちのたくさんの夢のあとがつまっているように、みんなのいるまさにその場所が、たくさんの「意志」と「能力」と「夢」にあふれる場所であってほしい。課題と言うよりも、顧問としての僕の願いというべきことだろうけど。
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with BACCHUS とは

高校演劇部の顧問として、部員に向けて書いた「演劇部便り」です。演劇づくりに関するマニュアル的なものから組織作りのようなこと、個人的な想いを書いたものまで内容はさまざまです。一応ジャンル分けをしていますが、特定の項目についてお知りになりたいときには、単語で検索をしていただいた方が、興味ある情報を見つけやすいかもしれません。

2期に分かれています。第1期は2002年9月から2009年3月まで。少しでも高いところに登ろうと必死で自らを鍛えていた演劇部でした。「with BACCHUS」の内容もわりあいハードで、量もとても多いです。第2期は2013年から書き始め現在進行形です。動き始めたばかりの演劇部、演劇初心者がほとんどの部員たちにわかりやすいように書いているつもりです。

質問や感想などのコメントをお待ちしています。

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