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with BACCHUS - 舞台上に立つ

舞台上に立つ

カテゴリ : 
第1期 » 芝居作りのノウハウ » 役者の鍛錬 » 動ける心身をつくる
執筆 : 
KAZU 2006-5-29 15:55
 2本の芝居を同時進行で制作しているおかげで、ほとんどのメンバーが舞台に立つ稽古をやっているのはとても嬉しいことだ(もちろん、舞台に立たない人間の支えがあるからこそできることである)。だからこそということになるのだろうけど、今回が初舞台の1年生と上級生の落差が非常に目立ってしまっているのも確かである。

 どこが違うんだろうか。

 わかりやすい所ですぐに目に着くのは発声である。声を腹筋で支えることができていない。大きなホールで上演するのだという頭があるからだろうか、大きな声を出そうとしているのはわかる。しかし、響く声と大きな声は違う。きちんとした響きをつかまえる前に、大きな声を出そうとしているので、どうしても声帯で押し出すような声になってしまっている。結果的には、語尾をひねるような感じになってしまったり、妙にけんか腰のような話し方になってしまったり、声がうわずったりしてしまっている。要するに不自然なのだ。
 そしてそれが、単に声を出すと言うことだけにとどまらず、立ち姿や身のこなしにまで影響してしまっている。喉を中心に、体全体が固いのである。そしてその堅さを自分でも無意識に不自然だと思うのだろう、手ばかりがふらふらと動いたり、いわゆる説明仕草(「大きな」と言いながら手を大きく開いたりね)までも見られる。なかなか厳しい。

 声は喉から絞り出すのではなく、まずは頭に、最終的には体全体に響かせるのである。自分の体を起点として、ホール全体に音が広がっていくようなイメージである。そうすぐにできることでもないから、最初はうまくいかないのは仕方ないのだけれど、結果として演技そのものが不自然なものになってしまう波及効果は避けるべきだ。

 それ以上に問題なのは(実は上記の事とも深く関わっているのだけれど)、舞台の上に立っていられていないのである。舞台の上に物理的に立っていると言うことと、役者として舞台に存在ということとはまったく違うことなのである。

 ひとりで自分の部屋にいるのであればごくごく自然に振る舞えることでも、あるいは親しい人と一緒にいるのなら何も意識しないでいるようなことでも、誰かが一心に見つめているとか、誰かが自分の動きを評価しようとしているとか言う状況では、何となく落ち着かずに不自然な動きになってしまうことがあるはずだ。見られているという意識、きゃんとやらなければいけないという意識は、人の動きを不自然にする。あまり経験がないものが舞台に出ると、それと近い状態になりやすい。体と心がリラックスできないのである。

 リラックスというのは単に力が抜けた状態のことではない。脳や心が命じることに、身体が自然と従えるような状態のことである。リラックスしている状態なら、歩こうとを思えば自然に歩くことができる。しかし、心身に緊張があると、普段しているはずの「歩く」という行為がとても難しいことのように感じられる。極端になれば右手と右足が一緒に出たりしてしまう。

 では、どうすればいいのか。即席でかっこをつける方法もいくつかある。役者の癖を打ち消すには、それ以上に明確な登場人物の癖を創造するとか、舞台の上で常にその登場人物が考えていることを決めておいて、役者自身がそれを考えて余分な要素を消していくとか。でも、本当に大事なことは、とにかく繰り返し繰り返し稽古を行い、自分の存在が外からどのように見えるのかチェックしてもらうことである。ビデオ撮影などをしてそれを見るのもいいが、まずは仲間や先輩を鏡がわりに使わせてもらう。極端に言えば手の上げ下ろし、言葉のひとつひとつまで、「それ、変だよ」「なんか不自然」という指摘をたくさんもらうことなのだと思う。

 実は本当に「自然に従える状態」などと言うのは実はないのだと言うことも、そういう過程で気づくに違いない。

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with BACCHUS とは

高校演劇部の顧問として、部員に向けて書いた「演劇部便り」です。演劇づくりに関するマニュアル的なものから組織作りのようなこと、個人的な想いを書いたものまで内容はさまざまです。一応ジャンル分けをしていますが、特定の項目についてお知りになりたいときには、単語で検索をしていただいた方が、興味ある情報を見つけやすいかもしれません。

2期に分かれています。第1期は2002年9月から2009年3月まで。少しでも高いところに登ろうと必死で自らを鍛えていた演劇部でした。「with BACCHUS」の内容もわりあいハードで、量もとても多いです。第2期は2013年から書き始め現在進行形です。動き始めたばかりの演劇部、演劇初心者がほとんどの部員たちにわかりやすいように書いているつもりです。

質問や感想などのコメントをお待ちしています。

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